本多の森
 小立野台地の先端に金沢城や兼六園がありますが、その南側に広がるのが本多の森です。前田藩の筆頭年寄本多家の上屋敷のあったところです。前田氏の家臣の中で年寄の家は8つあり、それらの家を称して前田八家(はっか)といいます。その前田八家の中で本多氏は最も石高が多く5万石でした。大名は1万石以上でしたから、大名で本多氏より石高の小さい大名もたくさんいます。前田八家には、他に長氏(3万3千石)、横山氏(3万石)、長種系前田氏(1万8千石)、奥村宗家(1万7千石)、村井氏(1万6569石)、奥村支家(1万2千石)、直之系前田氏(1万1千石)とすべて1万石以上です。
 その中でも群を抜いて石高の高い本多氏は徳川家康の家臣本多正信の2男政重が祖です。本多政重は1602年(慶長7年)前田利家に仕えました。一時期前田氏を離れましたが1611年(慶長16年)再び前田氏に3万石の禄で仕えました。1614年には5万石になりました。本多氏は代々前田氏と徳川幕府のパイプ役として働きました。5万石という日本の家臣の中で最も多い石高ですから屋敷も大名クラスで屋敷は1万坪ありました。この本多氏の屋敷のあった辺りには様々な施設があります。

  

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本多蔵品館 石川県立美術館 石川県立能楽堂 成巽閣 石川県立伝統産業工芸館 金沢神社 広坂休憩館

                                
石川県立歴史博物館
 3棟の赤れんがづくりの建物で国指定重要文化財に指定されています。ここは第二次世界大戦まで陸軍の兵器庫として使われていました。戦後は金沢美術工芸大学のキャンパスとして使われていました。1986年外観はそのまま残し、内観を大幅に改修して石川県立歴史博物館として開館しました。3棟ありますが第1棟(道路に一番近い方)は1914年6月、第2棟は1913年8月、第3棟は1909年8月に竣工しています。いずれも2階建てで長さが90mで左右対称を基本とするなど日本に数少ない建物です。
開館時間9:00〜17:00
入館料 大人:250円、大学生200円、高校生以下無料

石川県立歴史博物館HP


本多蔵品館
 本多蔵品館は本多氏に伝来する武具、調度品、古文書など約1000点を展示しています。

開館時間9:00〜17:00
入館料 大人:500円、大高・中学生350円、
      小学生250円











石川県立美術館
 1983年に開館した美術館で、九谷焼の各時代の代表作など地方の美術館としては代表的な美術館です。前田家の旧藩主の収蔵品を保管している前田育徳会の品々は東京に保管してありますが、この美術館で公開されています。

開館時間9:00〜17:00
入館料 大人:350円、大学生280円、高校生以下無料


石川県立美術館のHP






石川県立能楽堂
 金沢市は能が盛んな町です。石川県は謡曲人口が第1位で能の流派は「加賀宝生流」として全国に知られています。前田藩5代藩主綱紀の時に大成しました。明治になり衰退していましたが、佐野吉之助によって復活しました。金沢市では、毎年中学校3年生で観能教室が行われており、新制中学校を卒業した金沢市民は能を1度は観賞しています。敷地内にある木造の建物は戦前陸軍の社交場だった偕行社の建物です。


偕行社

成巽閣
 兼六園の脇にある成巽閣は国指定重要文化財です。1863年前田藩12代藩主斉広の未亡人隆子の隠居所として建てられました。
開館時間8:30〜16:30
入館料 大人:600円、中高生300円、小学生250円





                                      

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