銭屋五兵衛記念館

 江戸時代に回船問屋で栄えた銭屋五兵衛について展示してある県立の記念館です。銭屋五兵衛は現在の金沢市金石(当時の宮腰)で安永2年(1773)に生まれました。彼の家は両替商を中心に商いを行っていました。17歳で家督を継ぎましたが39歳の時に担保になった古船を修理し廻船業に乗り出しました。本格的に廻船業を始めたのは50代後半からで当時の50歳と言えばかなりの高齢です。彼は1代にして巨額の冨を築き『海の百万石』とまで呼ばれるようになります。全国に34カ所の支店を持つ日本有数の豪商になりました。1回の北前船(現在の蝦夷から大阪まで)の商いで現在の額でいうと約1億円の利潤をあげていたといわれます。彼は晩年河北潟の干拓事業に乗り出しますが河北潟で魚が大量に死ぬ事件が起こり、潟に毒を入れたという疑いを掛けられ、獄中で80歳の生涯を終えました。
 彼は鎖国の時代ロシアやイギリスなど外国と密貿易を行っていたといわれます。また、アメリカやオーストラリアへも船を出していたといわれます。タスマニアに日本語で書かれた碑が残っていたようですが現在は紛失しありません。彼の船が海外へ行っていた証と考えられるのが『八田ミミズ』の存在です。河北潟の湖岸に位置する金沢市八田町には『八田ミミズ』といわれる巨大なミミズがいます。日本にはいない外来種で彼が持ち込んだ材木に付着してやってきたものと考えられます。

開館時間 午前9時〜午後5時
休 館 日 12月1日〜4月末 毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 12月29日〜1月3日、5月1日〜11月末 無休
入 館 料 大  人 500円 (団体 400円)銭五の館と共通、小中高生 350円 (団体 300円)団体は20人以上


銭屋五兵衛記念館HP

館の建物自体が素晴らしいデザインで第4回いしかわ景観賞を受賞しています。渡り廊下は海に浮かんだように見えるように外に水が張ってあり、展示室は豪商の象徴である蔵が3つ並んでいるように作られています。
御手船 常豊丸 銭屋五兵衛が作った加賀藩の商船です。最高級の材料を使って作られましたが浅瀬に乗り上げ壊れてしまいました。
銭屋五兵衛や北前船について説明されています。 人形と絵を使って子どもにも分かりやすいように銭屋五兵衛について説明されます。
銭屋五兵衛の生涯を説明しています。 銭屋五兵の使っていた茶室が一部移築されています。
八田ミミズ
熱帯産の『朱子胃ミミズ』の一種です。普通の太ミミズは胃が1つですが『八田ミミズ』は6から9個の胃腑がそろばんの朱のように連なっています。巨大なものは70cmから90cmもあります。


                                    



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